年神さまはお正月になると各家々にやってきて、その家のその年一年を見守ってくださる神様です。
お正月は新しい年を迎える時であり、全てのものが新しく始まる節目なのです。
年末は年神さまを迎える準備をいたしましょう。
<初富稲荷神社の年神さまの御札一揃え>
初富稲荷神社では、年末に氏子役員が各家を回って「年神さまの御札一揃え」を領布しています。
お伊勢さまの御札
伊勢神宮のお神札を「神宮大麻」といい、神棚の中央にお奉りします。
三社づくりの場合は、中央に神宮大麻、向かって右に氏神様のお神札、左に崇敬する神社です。
一社づくりの場合は、一番手前に神宮大麻、次に氏神さま、次に崇敬する神社の順です。
年神さまの幣束と竈神さまの幣束
幣束は二体あります。
幣束とは、神に供える捧げもののことです。
一体は年神さまの幣束。もう一体は竈神(かまどかみ)さま(別名「荒神(こうじん)さま」)の幣束。
年神さまの幣束は、神棚中央の「神宮大麻」の前へお奉りします。
竈神さま(荒神さま)の幣束は、台所の頭より高いところにお奉りします。
荒神さまの神棚がある家はそこにお奉りします。
年神さまのお札
年神さまのお札は、神棚の棚板に糊、セロテープ、両面テープなどで貼ります。
画鋲などでお札に穴を空けることはタブーとされています。
門戸守護札
門戸守護札は御門を守っていただくお札で、二体あります。
表門と裏門に、外へ向けて貼ってお奉りします。
表門がない場合は、玄関の外側に目線よりも高い位置に貼ります。
裏門がない場合は、大きな窓など(泥棒が入りやすい場所など)に外側から貼ります。
なるべく左右対称になるような位置に貼ります。
御守護札
「御守護」の御神札は、ご家庭の総守りのお札です。
神棚にお奉りします。
みそか祓い
みそか祓いは大晦日に行なう伝統的な行事で、みそかはらいから「みそかっぱらい」とも呼ばれています。
その時までこの祓串は、神棚にお供えしときます。
大晦日の一家団らん前に、家族の代表者が祓串を使い、まずは神棚からお祓いをし、次に家の中のすべての部屋をお祓いし、最後に家族のお祓いをします。
お祓いは、「みそかっぱらい、みそかっぱらい」と唱えながら左・右・左と3回振ってお祓いします。
お祓いが終わったあとは、神棚にお奉りします。
紙垂(しで)
紙垂(しで)は、神棚、荒神さまのしめ縄に四枚づつ取り付けます。
8枚入ってます。
以上が初富稲荷神社で昔から行なわれている年神さまの奉り方です。
地域や神社によって年神さまの奉り方の違いがあると思います。
お正月飾りに適した日
12月13日は「正月事始め」といい、お正月の準備をはじめる日とされています。
正月事始めから28日までの間にお正月の準備を整えるのが慣例です。
神棚のある家は、28日までに煤払いをしておきましょう。
お正月の飾り付けを避けた方がよい日
12月29日:29日の読みが「二重苦」につながるため。
12月31日:1日のみの飾り付けがお葬式の「一夜飾り」を連想させるため。
年神さまはいつまでお祀りすればよいか
一般的には「松の内」までです。
関東では1月7日まで、関西では1月15日までと時期が異なります。
また、地域によっては一年中お奉りするところもあります。
初富稲荷神社では特に決まりはありませんので、各家々の考え方でよろしいかと思います。